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運転とは、環境ごとの”安全速度" を、感性に沿って"滑らかに" 次々実現すること
脳内内部モデルで無意識のうちの行われる運転操作を具体的な形で表現するにはどうしたら良いでしょうか。 内部モデルの目指すところは明快で、“安全にそして快適に”では無いでしょうか。
> 環境力場:交通環境を安全快適に走り抜けるよう車に働く環境力 具体例はこちら この式は物体が水中をまっすぐ進む時の運動を表しています。a は推進力を、 C は水による抵抗度合い/減衰係数を表しています。魚で例えれば a が尾びれで C が胸びれです。 魚はこれで水中を自在に泳ぎ回ります。 車の動きでは、C による減衰力 Cx’ が環境に応じて車に働く仮想的な力、環境力が車に働くと考える。 赤信号で車が止まるのは、車を止めるような力 Cx' が信号機から車両までの距離、車両の速度に応じて働いていると考える、前の車に追いついても車間を詰めないのは、前の車との自車の相対位置および自車の相対速度に応じた力Cx' を受けて適正車間を維持すると考える。これらの力を環境力と呼ぶことにする。 車の直前に飛び出しがあれば、飛び出したものが環境力を瞬時に張ることになり、車速と飛び出し位置によっては強力な力を受け、急制動となる。 この環境力を張って、滑らかに安全な速度を物理的に実現する力の場をつくる。 具体的には、(安全速度 V、実現位置X )の環境に、車両の 位置 x 速度 v で進入してきた車両に働く加速度 を決める関数を式(1)で表わし、 これを環境力方程式と名付ける。 x" = a - C (x,x',X,V) x' (1)
*以下参考 周波数応答によると、アンダーステアが強いほど安定した挙動を示す。(リバースステアは計算の範囲外) 操舵の効き具合を見るため、アンダーステア車の操舵に対する車体の動きの周波数応答を機械的に調べます。 (車両モデルはKf,Krの値が固定された運動方程式で、計算は Mathematica)
運転する車両の入出力特性式は下の図に示すとおり、教科書通りの運動方程式を当てます。 車が 行うべき運動がαで、このαを入力して出力である操舵輪の角度δを出力する。 横滑り角βはシミュレーション中の車両の走行中のデータを使用します。 アンダーステア・オーバーステアの操縦性をシミュレーションする場合、アンダーステアの強弱を決定する旋回時の前後輪での左右荷重移動を考慮したKf、Krが非常に重要です。下記する式で算出した値を使用します。 (δ:操舵角 、m,mf,mr:質量 Kf、Kr:前後タイヤのコーナリングパワ εf :荷重依存係数 α:横加速度 φ:ロール角 hf,hr:前後ロールセンタ高 Rf、Rr:前後ロール剛性 β:車体横滑り角(実車から得る)) このシンプルな車両運動逆モデルで行うハンドル捌きは、後輪が背負う車体の回転のコントロールを介して行うかなり込み入ったものになります。 旋回時は後輪が適切な角度取って踏ん張りますが、重い車体を背負っていて前輪のように自在に素速く所定の角度を取れません。 しかも前輪と違って自分では動けません、車体の回転頼みです。 下手な運転の車でも、この逆モデルを組み込んでおけば、走行中の運転者の意図(速度・変位)を含み持っている加速度を計測すれば、 この逆モデルだけで難しい横滑り自在の ステアアシスト をすることが可能。 具体的な前輪後輪が発揮する横力の工程がどうなっているのか考えて行きます。 通常の運転におけるコーナリング時の、減速しながらコーナーに入る時の遠心力の変化の過程、 および直線運動に戻るときの加速 から直線走行に移る遠心力の変化の過程が肝心ですが。 しかしこの場合微妙なコントロールはステアリングと言うよりアクセルとブレーキのコントロールにゆだねられる。 この場合ステアリング操作は脇役で、役割が分かりにくい。 ハンドリングが主役のきつめの横滑りが発生するようなコーナリング時の極端なハンドリングについて考えます。 ステアリング操作による力加減の特徴は、重い車体の回転を介して行う間接的なコントロールになると言うことです。 ハンドル捌きによる力のコントロールが生じるのは、一呼吸おいた動きの鈍い車体の回転後 ここではステアリング操作によってタイヤに発生させる力のコントロールの工程について調べる。 車体を背負った後輪の横力がキーになる。大切なのはボディーと一体の後輪が車体を支えていると言うことです。 左の図に左旋回中の車両の姿勢を示すが、リヤタイヤが横滑りしないと車体は支えられないので、激しい運転でも温和しい運転でもどんな運転でも旋回中はリヤタイヤと一体の車体は必ず図のように横滑り状態になります。 車体と一体構造のリヤタイヤが車体を支える役割を担い、フロントタイヤの役割はフロントタイヤの力でこの車体の向きを自在にコントロールすること。 リヤタイヤはフロントタイヤの力によって一呼吸遅れて車体と一緒に向きを変えて、車体をささえる力を発揮し意図した旋回が成立する。 スーパーマーケットでの買い物時のカートを操るのと同じ。 左の下の図に、旋回に関わるフロントとリヤのお互いにせめぎ合で働く相反する車体に働く回転モーメントを示す。 操縦性を決めるアンダーステアの強弱レベルは、操舵を加えた時の車体を支えるリヤタイヤの踏ん張りモーメントと、 その踏ん張り力に逆らって車体を回転させるロントタイヤの発揮するモーメント、この二つのモーメントのバランスで決まります。 フロントの回転モーメントが強いほど舵が効くので自在の運転が可能で、 リヤの回転モーメントは舵を戻す方向に働く力になるのでこれが強いと思い通り舵が切れないことになる。 しかしフロントの力で舵が決まって所定の車体の回転が得られた後は、リヤは車体を支えるので弱いと旋回能力が落ちてしまう。 フロントとリヤのバランスの落としどころでアンダーステアのレベルが決まる。 進行方向に対して角度を持ったリヤタイヤが横滑りして発生する求心力は、 同時に車体の向きを元に戻す方向の回転モーメントを発生させるので、操舵輪はこの力とのバランスにより、 車体に旋回に必要な求心力を得ると同時に車体に働く回転モーメントをコントロールして旋回に沿ったヨーレートを実現する。 前後のタイヤのコーナリングフォースの強さの違いによって舵の効き具合が変わりますが、 前後での強さの違いは前後サスペンションの剛性配分の違いによって、 前後での旋回外輪への荷重移動量が異なるために生じます。 剛性が強いほど荷重移動量が大きくなります。 荷重移動によるコーナリングフォースの減少については左の図を参照ください。 ロール剛性が強いと旋回時の内輪から外輪への荷重移動量が大きくなります。 荷重の移動量が大きい程その分コーナリングフォースが減少します。 フロントとリヤのロール剛性配分によってアンダーステアのレベルが変わります。 フロントがリヤより剛性が強いほど、フロントでの左右輪の荷重移動が大きいことによるコーナリングフォースの減少がリヤより大きくなることによりアンダーステアが強くなります。 フロント側のロール剛性がリヤに対して弱いと、ロール時リヤより左右の荷重移動が少なくコーナリングフォースが落ちないので、弱アンダーで車体のコントロールが楽になり、ラリーのような走りが容易にできます。 リヤのロール剛性が弱いとフロントが弱い場合の逆で、リヤでの荷重移動が少なく、リヤタイヤのコーナリングフォースが維持されて強アンダーで、 無理のかかっていないリヤタイヤに余裕が生まれているので、その分駆動力を駆けることが可能になり、アクセルコントロールによりスピードサーキットでの高速旋回が可能となります。 ただし、アクセルの微妙なコントロールとステアリング操作の合わせ技によって、アンダー分を使い切ってオーバーステア寸前までのニュートラルステア状態に持って行って走るのは簡単ではない。 フロントタイヤを操舵して車体を進行方向に対して必要な角度を持たせ、横滑りするリヤタイヤの軸方向の摩擦により、車体に横向きの力を発生させる。 カーブ旋回に見合った求心力およびヨーレートを発生する所定の車体(リヤタイヤ)の横滑り角が得られれば、
そのリヤタイヤの発生する力にバランスさせた力をフロントタイヤが発生するようにフロントタイヤの向きを合わせる。 フロントタイヤを含む操舵系がこの車体(リヤタイヤ)の向きを自在に変えることになるが、 時間遅れの大きい重い車体の回転運動を介在するので、操舵によるリヤタイヤに発生させる力加減はかなり難しい。 一般的にアンダーの強い市販車では、運転中にアンダーを感じたらカーブに高速で進入しないのが無難。
対照がラリー車の走り、絶対と言っていいほどスピンはしない。 先の読めないカーブに無理なスピードで突っ込んで行っても、横滑りしながらなんでも無いように走り去っていく。 車両運動逆モデルにより 行うべき
運動αからそのための操作δを生じる
入力があってその結果出力が生じる、ハンドル操作があって車は曲がっていく。 ところが車の運転行為は一寸違う、最初に運動が頭の中に浮かぶ、例えば前のカーブを曲がろうとすると、最初にカーブでの自車の行うべき運動αが設定され、その為のハンドル操作δが頭の中に生じる。
車体と一体のリヤタイヤに働く力の加減には、 ステアリングからフロントタイヤに至る操舵系の運動特性およびこれによる車両の応答/運動特性など全てが、
十分な経験に基づいて身に付いて(身体に逆モデルがプログラムされて)いることが必要。
逆モデル・AI ドライバーによるシビアなレーンチェンジ
車両はCarSim。
前後輪に発生する横方向の力を、路面に平行な黄色の矢印で示し、上下方向の力を路面に垂直な矢印で示す
さらに、自分も中に乗っていて慣性力を受けるので、不快にならないようどう力加減したらよいか、人の感覚特性に基づいた力加減の仕方を身につけている必要がある。
感覚に沿った運動とは
我々は、匠の物差し、美の原器を持たされて生まれてくる、音痴でもベートーベンが分かる。
感覚は生まれたときからプロ、素人でも一瞬でプロの技を見抜く、しかしやってみればぶざま。
すべて生まれてからプログラムされる、赤ちゃんの行動を見ればすぐわかるように、習うより慣れろ、どんなことでもその環境で自分でやってみて習得しなければ何も出来ないように仕組まれている。
運動は、敵から逃げたり餌をとったり命に関わる重要な行為なので、これに関わる視覚、聴覚、触覚、運動感覚、力覚などの感覚は正確に物理量と1対1に対応している必要がある。
(ウェーバー))の法則の物理刺激量Sとして
人の運動逆モデル+車両運動逆モデルーーー>ドライバーモデル <
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