車の運転とDriver Model Bio-Motion Control Equation 運動方程式 車の運転のモデル化 Driving Examples 強US車両の挙動 運転行為/Weber則関連 バイモ研 弱US車両の挙動 車の運転の物理 Bio-Motion Equation の環境対応、具体的なパラメータ例 Human-Motion Control Model Skilled 逆モデルによるドライバーモデル

AI ドライビング

 

人の動作は、神経伝達遅れの無い脳内仮想環境で、無意識に行われる

 

いつの間にか乗れるようになった自転車、四苦八苦するも今ではすいすい乗れようになった車、でもどうやって運転しているのか自分では分からない。我々の行動には無意識の部分が有り、この部分に行動の本質が隠れている。 箸を使う場合、箸先の動きは意識するが、練習して身につけた指-手首--肩の動きは無意識のうちに脳がやってくれているので、実際どうやって箸を動かしているのか分からない。 練習していない反対に手では、字も書けないし歯も磨けない、箸も使えない。  脳内にプログラムが作られていなければ、簡単な動作もままならない。 動物の赤ちゃの夢中になって遊ぶ姿は見ていて飽きないし可愛らしい。

 

 例えばマウスをクリックする場合

1.脳から指令が出て、

2.脳から指の先まで1m弱の長さの神経細胞を伝わって

3.指先の筋肉まで指令が届く

4.クリック


このようにマウスをクリックするには、脳から指令が出て体が反応するのに、神経を通して指令が伝わるコンマ何秒かの時間がかかります。実際のクリックは、クリックしようと思った瞬間に実現され、クリックの感覚も同じく瞬間に感じます。触ってから遅れて脳に上がる絶対間に合わない感覚は仮想の感覚が準備されて、これも含めて思うより前に準備が出来ている不思議な形になっています。 行為はもちろん、感覚も、今だと思うことも、脳が事前に準備した仮想環境でタイミングよく立ち上げていて、すべて無意識下で行われていることになる。

 自分の意思で始める時は、思った途端に寸秒の遅れなく即身体が動く。しかし、”用意ドン“とか”始め“と他人から言われてスタートする時は必ずコンマ何秒か遅れて身体が動くことになる。

 字を書く場合は書こうと思った瞬間にペンが動いて、思った通りに線が引ける。本当は脳から指令が出て、神経を経由して、指先の筋肉が応答する訳ですから、コンマ何秒か遅れて線が引けてもおかしくないのに、思った途端に感覚し瞬時に線が引ける。

逆モデル

これは私たちの行動が、経験に基づいて身についている一連の行程を、結果を時間的に遡って実現しているからです。 例えば字を書く場合には、ペンを動かす前に、どんな字を書くのか、字の大きさは、また指-手首--肩の力を入れ方等の準備に既に脳は働いているわけです。 ペンを動かす前に、結果として書かれるべき字を実現するための行為を、結果から時間的に遡った形で、脳内では着々と進めている訳で、すなわち結果が先にあって、脳内で逆モデルが先行して感覚も準備して一連の工程を行っているわけです。

練習によって感覚も含めて全工程が身に付いているから、結果から遡ってやるべき工程をひとつひとつ実施しているだけ。 覚えた迷路を逆から遡って入口から順に進むようなもの。

 その代わり練習して身に付いている事しか出来ない。 練習していない反対の手では字は書けないし、歯も磨けない。 

 因果関係に沿って、こうすれば、ああなると言うのが順モデル、ああなるために、こうすると言う、結果が先にあって結果から遡ってその為の工程を実行するのが逆モデル、逆モデルは身に付いたノウハウのようなもので、このモデルは脳科学で脳内モデルと言われる。。
 実行されるときは習い覚えた環境を想定して実行されるので、呼び出された脳内モデルに準備された仮想の環境が現実環境とずれている場合もあり、たとえば段差の無いモデルが呼び出され、現実は段差があれば躓いてしまうと言うことにもなる。
 のろまな我々生き物は全てこの練習によって身に付けた遅れの無い感覚も準備された仮想環境逆モデルで先を読んで行動するので、現実環境が読み通りであれば何事にもジャストタイミングの見事な動作が可能。

 思うより先にプログラムを立ち上げて、正確で素早い行動を実現するこのシステムの欠点かも知れないことがあります
 最近話題の高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違い、最近高齢者に仲間入りして自分でも気にしているのですが、何かをやろうとして手を伸ばした先を見て、あれ!、ということが若いときに比べて多くなりました。 違ったプログラムを起動させてしまった場合、無意識での行為なので、実行してしまって現実環境に戻り、そこでシマッタとなる訳ですが、認知症になると脳内仮想環境で動いている状態を監視している感覚がおかしいので現実環境に戻れず仮想環境のまま、そのままアクセルを踏み続けると言うことがあるようです。 テレビ等で見られるように、店内に飛び込んでぶつかっても未だアクセルを踏み続けているような事になるのでは。

 

 

感覚が要

このシステムのお陰で、イチローの見事なまでのバッティングとライトを守っての見事としか言いようの無い背面ジャンプ捕球を可能としている。

しかし誰にも負けないたゆまない練習で獲得した逆モデルでも、プログラムは見込んだ運動環境条件に合わせて実行されるので、実行時の運動環境条件の読みに問題があれば、例えばピッチャーの投げる球の運動に読み間違いがあれば、不適切なプログラムが呼び出されイチローでも打てないと言う事になってしまう。 日常経験することですが、物理的な状況に読み間違いがあっても、そのままプログラムは実行されるので、例えばスカを喰ったり、躓いたり、踏み外したり、みっともない形で終わります。 先行して脳内でプログラムが立ち上がってしまっているので、実行時に間違いに気付いても、手遅れで、つまずいたら転ぶしか無い。
感覚がすべてを支配、仮想環境逆モデルは感覚で作られ、動作は感覚の監視下で行われ、感覚に評価される。 そして上手くいくかどうかは、モデル獲得に費やした練習量と、モデル実行時の物理的な環境状況を如何に正確に感覚が捉えているかにかかっている。

 

運転とは、一言でいえば、速度コントロール

環境に適合した速度を道路に沿って、次々と実現すること。 積分時間を要する変位(位置)および速度の実現には時間を要する。 これをタイミング良く行うには、逆モデルによる先読みの見込み動作で対応する。 変化も含めて環境を先読みし、予め練習で獲得している逆モデルによる動作でこれに対処する。 

環境を前にして、(運動に)先立って生じる運動意志を実現する人の運動制御式は、環境での運動が先に決まる環境駆動の逆運動モデルに成っている必要がある。 

一般的には目標速度を実現する最も簡単な微分方程式は x” = a – Cx’ です。 
 この微分方程式による加速度運動が中に乗っている人に快適で、速度達成の目標位置が式の中に組み入れられると、人の運動逆モデルになれる。

 

車の横方向運動

ハンドル操作に技術を要する高Gカーブ走行

速度コントロールはタイヤの回転方向の力で行われるが、これに合わせてカーブ走行時はハンドル操作も必要で、カーブ旋回に見合った求心力とヨーレートのコントロールが、フロントタイヤの回転面に直角な回転軸方向の力により行われる。

車体と一体構造のリヤタイヤが車体を支える役割を担い、フロントタイヤの役割はキャスター構造で、人の操舵によりタイヤの回転軸を動かして軸方向に働く力を自在にコントロールする。 

フロントタイヤを操舵して車体を進行方向に対して必要な角度を持たせ、横滑りするリヤタイヤの軸方向の摩擦により、車体に横向きの力を発生させる。 カーブ旋回に見合った求心力およびヨーレートを発生する所定の車体(リヤタイヤ)の横滑り角が得られれば、そのリヤタイヤの発生する力にバランスさせた力をフロントタイヤが発生するようにフロントタイヤの向きを合わせる。 進行方向に対して角度を持ったリヤタイヤが横滑りして発生する操舵方向へ働く求心力は、同時に車体の向きを元に戻す方向の回転モーメントを発生させるので、操舵輪はこの力とのバランスにより、車体に旋回に必要な求心力を得ると同時に車体に働く回転モーメントをコントロールして旋回に沿ったヨーレートを実現する。

フロントタイヤを含む操舵系がこの車体(リヤタイヤ)の向きを自在に変えることになるが、時間遅れの大きい重い車体の回転運動を介在するので、操舵によるフロントタイヤに発生させる力加減はかなり難しい。 車体の回転についてはポールフレール著“ハイスピードドライビング”3章コーナーへの侵入と脱出に、一本支柱のリフトに持ち上げられた車両の回転として、非常に詳しく述べられている。

フロントもリヤもそれぞれ大切な働きをするが、各々の発生する力のバランスで操縦特性が決まる。 旋回ロール時に前後サスペンションのロール剛性配分に応じて、前輪および後輪に旋回内輪から外輪への荷重移動が生じ、剛性配分の大きい荷重移動量が多い側で求心力の減少が大きくなり、前後輪での移動量の違いで生じる力のバランスで操縦特性が決まる。 前輪での荷重移動量が後輪より大きいときには、言い換えるとフロントサスペンションの剛性配分がリヤより大きい場合、前輪の求心力がより減少してアンダーステアが強くなり、逆だとアンダーステアが弱くなる。 アンダーステアが強いと感じた場合は慎重に運転する必要があり、無理に切り込むと突然リバースステアが起こり、クルマは物理的に旋回可能でもヒトのステアリング操作の腕力が足りずプロでも最終的にスピンに至る。 サーキットで行われるスピードレースではプロのドライバーがスピンしている光景がよく見られるが、スピードを競う場合はアンダーが強い方がリヤの横滑りが少なくコーナーでのスピードが落ちにくく、さらに余裕のある後輪に駆動がかけられ早く走るには有利なため、リバースが起こる危険をおかしても、高速サーキットでのスピードを競うレーシングカーは、アンダーを強めに設定していると思われる。 

一般的にアンダーの強い市販車では、運転中にアンダーを感じたらカーブに高速で進入しないのが無難。

対照がラリー車の走り、絶対と言っていいほどスピンはしない。 先の読めないカーブに無理なスピードで突っ込んで行っても、横滑りしながらなんでも無いように走り去っていく。 弱めのアンダーステアではリヤには無理がかかって、横滑りによりカーブを通過する速度は遅くなってしまうが、フロントは自在でコントロールを失うことはない。 無理なカーブ進入でも減速するだけで、コースを飛び出すほどの極端なオーバースピードでない限り素人でも運転に失敗することは無い。 リバースステアについては4節の「Driving Examples 強いUS車両の挙動」および7節の「弱US車両の挙動」に. /span>

 

 

運動逆モデル*1により無意識に行われる運転

入力があってその結果出力が生じる、ハンドル操作があって車は曲がっていく。 ところが車の運転行為は一寸違う、最初に運動が頭の中に浮かぶ、例えば前のカーブを曲がろうとすると、最初にカーブでの自車の行うべき運動αが存在して、その為のハンドル操作δが頭の中に生じる。 すなわち結果である運動αから入力δが生じるのである。 その為には自分の中に、練習によって運動αから操作量δを生じる 車両運動Inverse Model /逆モデル を獲得ていしなければ成らない。 逆モデルが正確ならこのδによって確実に思った運動αが実現できることになる 

車体と一体のリヤタイヤに働く力の加減には、ステアリングからフロントタイヤに至る操舵系の運動特性およびこれによる車両の応答/運動特性など全てが、十分な経験に基づいて身に付いて(身体に逆モデルがプログラムされて)いることが必要。

 

注1:内部モデル

(今水 寛ATR 脳情報通信総合研究所https://bsd.neuroinf.jp/wiki/内部モデル

外部世界の仕組みを脳の内部で模倣シミュレーションする神経機構である。ヒトや動物は、複雑な筋骨格系で構成される身体を、速く正確に制御できる。これは、脳の内部に、運動司令と身体の動きの関係を定量的に対応づけるモデル(信号変換器)が存在し、運動を実行する前に結果を予測したり、望ましい運動結果を実現するために必要な運動司令を予測することを可能にしているからと考えられている。このようなモデルは、身体の延長として機能する物体や道具の入出力特性も反映する。



逆モデル・AI ドライバーによるシビアなレーンチェンジ

こちらにも動画 

車両はCarSim

前後輪が発生する力を路面に平行な黄色の矢印で示す。 最初にリヤタイヤに働く黄色の矢印を見てください。 リヤタイヤに働く力が、レーンチェンジに合わせて左に、右にと変化しているのが分かると思います。 先行するフロントタイやの力で車体の向きを変え、それによって発生するリヤタイヤのコーナリングフォースでレーンチェンジしている様子がよく分かる。 巧みなステアリング操作で前輪が発生する力をコントロールして車体の向きを変えて、車体とともに向きの変わるリヤタイヤにレーンチェンジする力を発生させているわけです。

さらに、自分も中に乗っていて慣性力を受けるので、不快にならないようどう力加減したらよいか、人の感覚特性に基づいた力加減の仕方を身につけている必要がある。

 

感覚

我々は、匠の物差し、美の原器を持たされて生まれてくる、音痴でもベートーベンが分かる。

感覚は生まれたときからプロ、素人でも一瞬でプロの技を見抜く、しかしやってみればぶざま。
大自然の摂理が何億年にも渡って刻まれた虎の巻を授かっている、何もしなければ、虎の巻は埃を被ったまま。
努力(行動)すればするだけ幾らでも開示される。

すべて生まれてからプログラムされる、赤ちゃんの行動を見ればすぐわかるように、習うより慣れろ、どんなことでもその環境で自分でやってみて習得しなければ何も出来ないように仕組まれている。
 そして、やってみれば、全知全能の神がコーチ役を引き受け、動きを見守りプログラムを修正、次の機会によりリファインした動きを実現する。 コーチの正体は、自然界の美しさ、プロの技を一瞬の内に見抜く、自分自身の感覚。 トライする度に洗練される運動は、感覚の中に秘められた究極の運動に限りなく近づく。

 

Weberの法則:人の運動逆モデル

運動は、敵から逃げたり餌をとったり命に関わる重要な行為なので、これに関わる視覚、聴覚、触覚、運動感覚、力覚などの感覚は正確に物理量と1対1に対応している必要がある。 この感覚の世界を物理量の世界に変える手段は19世紀の生理学者 Ernst Heinrich Weber(1795-1878)が物理量の式で提供してくれています。  感覚と物理量との対応関係を示す(ウェーバーの法則) ΔS/S = C 一定 、この式は変わったことが分かる最小の物理変化量が現在値に比例することを表しているが、放射性物質の崩壊、熱せられた物体の冷却など自然界の非常に基本的な現象と同じ式の形をとる。 感覚も単純な単なる物理法則に従った自然現象としての存在になるのでは。

(ウェーバー))の法則の物理刺激量Sとして
ΔS/S=C 一定
 運動中の身体が受ける力(mx")を考える。 Δt を力の変化を感じる短い時間とすれば、ΔS=dS/dt*Δt ここに S=mx"  となるが、このΔS、S をWeber比の式  に適用すると、身体が受ける力(mx")の感覚が作り出す3次の微分方程式が得られ、これを積分して2次の微分方程式 x" = a - C/Δt x' を得る。

 感覚が目指して求める究極の運動  x" = a - C x' が得られる。 感覚の法則、Weberの法則から導かれたこの式は滑らかな運動を保証するだけでなく、さらに、予想された通り、前述の微分方程式で示した速度を見込む運動の逆モデル(運動制御則)で、環境に合わせた見込み運動を行う。
この式を変形
x" = a - C(X,V) x'
 ここに、(X,V)>が環境での運動状態。>
 この式はこの運動状態(X,V)を滑らかに実現する。

 

人の運動逆モデル+車両運動逆モデルーーー>ドライバーモデル


人の運動逆モデルから環境に対応する取るべき運動状態が先に決まり、その運動を車両運動逆モデルによって、車の運動として実現される。 先読みによって定めた運動状態を、車の滑らかな動きで実現するには、「その運動状態を実現する運動(加速度)を算出する”人の運動逆モデル”」 および 「算出した運動(加速度)を車の動きで実現するステアリング操作量を求める”車両運動逆モデル”」の両方が必要。
左の図で、h(X,V)=α が人の運動逆モデル。 V(α)=δ が車両運動逆モデル。
 (X,V) は環境での取るべき運動状態で α がそれを実現する加速度パターン。 δ が車両で α を実現する操舵角。h(X,V)=α はWeberの法則から求まった x" = a - C(X,V) x'

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