平尾収先生の「事故原因は見込み違い」
微分ハンドルで知られ、交通事故の原因を「見込み違い」として交通安全を科学的に追求された
元東大生研教授で自在研初代所長 故 平尾収 先生
の励ましとご指導を得て、先生の言われる「人動車」の運動、見込み運動の定式化を1992~1993年にITARDAで行いました。 先生が亡くなられる2年前のことです。さらに元F1レーサーの中嶋悟氏はこの運動は感性に沿うことが最重要と著書で力説しています。
その式が、感覚の法則から導かれた x" = a - C x' です。
CarSim(カーシム)
上の式は見込み運動を行う人動車(近藤政市先生は半機械人間、半人間機械と言われていた)の前後方向の運動方程式として誕生しましたが、この式は正確には車の運動ではなく人の運動を表す式で前後運動、左右運動の区別は有りません。 当時この式の左右方向の運動制御を試す環境が無く、最近になって車両運動シミュレーションソフトウェア、CarSim
に出会いました。
この式を Driver Model(ドライバ モデル) として、CarSim車両のステアリング操作を行なわせたところ、限界走行状態の車両でも安定して走らせることが分かり、この式の高い制御能力が確認されました。
CarSim (米国 Mechanical Simulation社 国内代理店 株)ヴァーチャルメカニクス)
美しい花は、その花のDNAが作り出す。 自然界にはそれを見る我々のDNAが共存する。 網膜に届いた光学的、物理的な、その光の像を美しいと感じるように生まれついている。 大自然の摂理を何億年もかけて取り込んだDNAが作り出すフィルターを通して、無味乾燥の物理量を一瞬のうちに評価する。 そのフィルターに法則がある。 それがWeberの法則。
Weber(ウェーバー)則から導かれる x" = a - C x' 、この式は、人の感覚に適合するだけでなく、逆運動モデルに成っているので平尾先生の言われていた見込み運動、即ち環境に適合した運動制御を行います、しかも機械では難しい力制御で。 この式が生き物の運動を司る制御則
Primitive Control ではないかと考えています。 熊が自転車に乗ったりしますが、インターフェースを合わせればネズミでもプロの運転が可能と言うことです。
式を見てすぐ分かるように、この制御式にはバネ項が無く、有るのは減衰項だけで、ゆっくりした水の中の運動を現しています。
2ページ目のドラゴンフィッシュの動き およびアザラシの動きに見られるように、その動きは非常に安定しており、しかも美しい。
この式の応用範囲は広く、将来的にはバレエの振り付けのシミュレーションができたらと思っています。
祈り
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